ビジネス・投資ガイド

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シェンクワン、ルアンパバーン、首都ビエンチャン
  シェンクワン、ルアンパバーン、首都ビエンチャンは
ちょうど三角形のコースで結ばれており、
ルアンパバーン・シェンクワン間の直行便再開が望まれる
■ シェンクワン -ジャール平原、温泉、戦争の傷跡を辿る
現在ラオスで観光客が訪れる地域は、首都ビエンチャンとルアンパバーンが圧倒的に多くなっており、その他の地域はまだまだ観光地として開発途上にあると言えます。しかしそんな中にも、美しい自然や稀少で伝統的な文化の残る村、不思議な遺跡群などを持ち、今後ルアンパバーンに次ぐ観光地として発展していく可能性を持った地域が数多く存在します。国としても、ルアンパバーン一極集中状態の観光客を他の地域にも分散させることで平均滞在期間を伸ばし、観光による恩恵を国全体に広げていこうという戦略のもと、新たな観光地・商品開発に注力しています。

その中でも特に注目すべき地域として、中部のシェンクワン県を詳しく見ていきたいと思います。この地域を訪れる観光客は全体の8.5%と、ルアンパバーンの64%に比べるとまだまだ広く認知されているとは言えない状態です。しかしこの地域は他にはない数々の観光資源を持ち、大きなポテンシャルを秘めた場所なのです。

ジャール平原 温泉の源泉。汚れておりそのまま入ることは不可能
  ジャール平原   温泉の源泉。汚れており
そのまま入ることは不可能
村では爆弾の殻を柱などに活用している   シャッターの半分閉まった博物館
  村では爆弾の殻を柱などに活用している   シャッターの半分閉まった博物館
爆撃によってできた巨大なクレーター   オールドキャピタルにある崩壊した寺院
  爆撃によってできた巨大なクレーター   オールドキャピタルにある崩壊した寺院
まず、シェンクワンの中でも比較的有名な場所として、ジャール平原が挙げられます。空港のある県都ポーンサワンの町から車で30分ほど行ったところにあるこの遺跡には、巨大な石の壺が無数に転がっています。フランスの考古学者によって発見されたこの石壺、誰が何のために作ったのか未だに謎に包まれており、すばらしい眺望を誇る見渡す限りの大平原の中に、時には人の背丈をゆうに超える大きさの壺がごろごろと散らばっている光景は一見の価値があります。このミステリースポットには説明の書かれた看板や関連グッズを販売する店など何もなく、現地ガイド付きのツアーに頼るしかない状態です。しかしジャール平原は近いうちに世界遺産に登録される予定で、観光客の増加とともにサービスの充実化や関連する商品開発も進む可能性が考えられます。

現在シェンクワンを訪れる観光客のほとんどはこのジャール平原だけを見て1泊して帰るのが普通です。しかし、シェンクワンの魅力はここだけではありません。県都ポーンサワンから1時間ほど車で走ったところには、温泉が湧いているのです。現在、この温泉の周辺にはいくつかの小さなゲストハウスがあり、宿泊・入浴が可能です。周辺は豊かな大自然に囲まれており、高地なのでひんやり心地よい気候の中、ゆったりとした時間を過ごせます。ただ、1泊10ドル程度の小規模なゲストハウスなので、温泉と言っても普通の小さなバスタブにぬるいお湯を満たして入るだけ。ここを訪れるのは温泉好きの日本人が多いそうですが、今の施設ではきっと不満を感じる客が多いことでしょう。よりグレードの高い温泉リゾートの開発なども今後の機会として考えうるのではいかと思われます。

あまり知られていない事実ですが、ラオスはインドシナ戦争時代、ベトナム以上に多くの爆撃を米軍から受けた国です。特にシェンクワンは、7500トンにも及ぶおびただしい量の爆弾を落とされ、壊滅的な打撃を受けた地域です。先ほどのジャール平原にも、爆撃によってできた巨大なクレーターを見ることができます。また、少数民族の村では、この爆弾の殻を柵や植木鉢、さらには家を支える鉄骨として生きる糧にしているたくましい様子を見ることができます。他にも当時の住民の避難場所で米軍による大虐殺が行われた洞窟があったり、爆撃によって壊滅した昔の県都にはお堂の柱のみが残り銃撃の跡を残す無残な仏像を見ることができたりと、戦争の傷跡を辿ることのできる地域でもあります。ポーンサワンの町には不発弾・地雷を展示した小さな博物館がありますが、シャッターは半分おりており、ろくに管理されておらず、入場料すらとっていないといった状態です。もっとしっかりした戦争跡博物館を作ることで観光スポットとして活性化させることもできるのではないかと考えられます。

観光シーズン、特に少数民族モン族の正月には闘牛やボートレースなどのイベントも見ることができます。少し足を伸ばした先には、美しい自然と数々の少数民族の村、遺跡群を持ったサムヌアという町もあります。

以上のようにシェンクワンは、多様な観光資源を持ちながら、いずれもまだほとんど手が加えられていない状況と言えます。世界遺産に登録されるジャール平原を軸に少数民族の村や温泉の訪問、トレッキング、ハンディクラフト販売などを組み合わせたエコツーリズムや、オールドキャピタルや洞窟、博物館を組み合わせた戦争の傷跡を辿るツアーといった商品開発を進めていくことで、ルアンパバーンに次ぐ観光地として発展していく可能性を大いに秘めた地域だと言うことができるでしょう。現時点ではまだ投資がほとんど進んでおらず、ルアンパバーン等に比べてかなり安い費用で土地を確保することもあり、前述の温泉リゾートや観光客増大を見越してのホテル開発に大きな可能性が存在しています。

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引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 70, 71, 82, 83.
An Overview of the Ecotourism Sector in Lao PDR (PPT)
2006 Statistical Report on Tourism in Laos
National Ecotourism Strategy and Action Plan 2005-2010 Summary
Nam Lan Conservation Area Map
The essential guide map to Laos
Do's & Don'ts in Laos
Biodiversity in Phongsaly Province
観光ガイド各種 (Luang Prabang, Northern Heritage Route, Luang Namtha, Khammouane, Chanpasak, Ban Chan)

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