ビジネス・投資ガイド

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■ 進む列強の資源開発
一方で現在、最も急激に資源開発の利権を拡大させているのは何と言っても中国です。最近の例を少しだけ見てみましょう。
2006年8月には中国のユンナン・ユナイテッド・アンティモニーインダストリー社に対して、ルアンパバーン県ゴーイ郡におけるアンティモン鉱物(蓄電池の電極材,減摩合金,活字合金,化合物半導体,易融合金などの成分として用いられる)の調査の認可がおりました。投資額は160万ドル。また同時期には雲南ヨングシアング商業社によるシェンクワン県、ペーク郡、ニョートピアング村、プーテーン村における全260k㎡の鉄鉱石開発に対しても認可が降りました。投資総額は120万ドル。その後11月には、中国で鉄の生産を行っている企業がホアパン県シェンコー郡ピアングヤム村488.5/496.5kmのエリアにて赤銅の鉱物資源調査を行うことが決まりました。これとは別にラオス政府に認可を受けているパーデンインダストリー社が亜鉛の採掘調査をビエンチャン県カシー郡にて800㎡のエリアで行うこととなりました。予算は2000万ドル。

高騰する資源価格
  高騰する資源価格
今挙げたものは氷山の一角ですが、鉱山資源開発を中心に中国の投資の勢いには目を見張るものがあります。急激な経済発展を遂げる中で資源輸出国から世界最大規模の輸入国へと転換。世界的に資源ナショナリズムが高まる中で世界の資源価格は暴騰し続けています。そして中国は自国の資源を囲い込むだけでは飽き足らず、アフリカやここラオスの資源をも我が物にしようと躍起になっています。

また、中国に次いで最近ラオスに注目し投資を急増させている国が、隣国ベトナムです。2007年9月、ベトナムのホアファットグループはベトナム、ラオス及び他の地域における鉄鉱石を採掘するため、資本金1,000億ドン(約6億9,444万円)でホアファット鉱産株式会社を設立しました。今後ベトナム北部、ラオス及びカンボジアにおける鉄鋼石鉱山の位置の検索を行うほか、銅、鉛、亜鉛などの金属の採掘、処理も行う予定のようです。 既に総額約3億5千万~7億円程度の海外投資について申請を提出しており、ラオスのビエンチャンに代表事務所を開設、カンボジアのプノンペンでも代表事務所の設立を進めています。

最近では金属資源以外の開発も進められようとしています。2007年3月にはイギリス・サラマンダー社がボサーイカム・エネルギー鉱物大臣と面会し、天然ガスと化石燃料採掘調査への投資意欲を語りました。その後4月にはサワンナケート県における原油とガス調査に関して、同社と政府の間で覚書の調印式が行われました。政府は原油調査に対し3年間許可し、2期4年の延長、その後30年間の採掘権を与えることになっています。サラマンダー社はビエンチャン県でも同じく調査を始める予定です。かつてはラオスで3つの石油掘削プロジェクトがあったそうですが、全て通貨危機により頓挫、現在まで手付かずだったとのこと。しかしラオスには石油が大量に眠っているという説があり、今後の調査結果が期待されています。

  ラオスの主要輸出品目 2006‐2007年
  (単位:100万ドル)
輸出品目 輸出額
鉱物資源 537.5
縫製品 91.4
木材・木材製品 67.2
電力 56.8
コーヒー 22.8
  (出所)ラオス投資セミナー
inバンコク商工省講演資料
ボーキサイト・金・銅・鉄・石炭・石油・天然ガス…。豊富な地下資源をめぐって、多数の外国企業がこぞって投資を始めています。最近の統計によれば、現在119企業が193の資源開発プロジェクトを実施しており、そのうち外国企業によるものは59企業169プロジェクトにものぼるそうです。2006年の投資総額は4億ドル(476億円)以上、現在ラオス国内で実施中の海外からの投資案件の中でエネルギー部門についで第2位の規模になっています。同年に鉱物資源はラオス最大の輸出品目となり、その輸出総額は5億ドルを超えています。しかもこの輸出量は近いうちにさらに30%以上増加すると予測されています。

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引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 48.
週刊ダイヤモンド 2007/9/8号 資源株投資入門

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