ビジネス・投資ガイド

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他項目で紹介した主たる機会以外にも、順調な経済発展を続けるラオスには豊富な投資機会が存在します。ここでは主にタイに工場を持つ製造業企業の第2工場としての地域補完型工業化戦略と証券市場開設に伴う株式投資を中心に、これまで触れられなかった分野に関して簡単に見ていきましょう。

労働集約的な部分を担うラオスの第2工場
  労働集約的な部分を担うラオスの第2工場
■ 製造業 -アセアン地域における国際分業
メコン国際架橋の完成によって、タイ・ラオス・ベトナム間の陸路による輸送が大幅に容易になりました。また、ASEAN域内における地域統合に向けた関税撤廃をはじめとする諸施策の推進により、これらの国の相互依存関係は今後ますます高まっていくと考えられます。一方で、関税の低下・撤廃により輸入代替型の産業政策は難しくなっているのも実情です。また、もともとラオスは内陸国ゆえに国境を越えないと船舶による輸出入ができず、輸送コストが高く工業化においてハンデを抱えています。

しかし、そういったデメリットが存在する一方で、地域統合の進展により新しい形での工業化の機会が広がっています。その例として代表的な戦略が、タイに進出している日系部品産業の第2工場をラオスに設置するというものです。

タイには現在7000社以上の日系企業が進出し、ハイレベルな部品産業、及びそれを支える現地の優秀な人材が育っており、自動車や家電などの精密部品・ハイテク製品において高い国際競争力を持っています。その一方で、近年のバーツ高や賃金上昇によって、当初タイにおける最大の強みであったコスト面における優位性が失われつつあるのです。一方ラオスの労働者の平均的な賃金は、タイのそれの1/3~1/5と言われています。

そこで、タイの部品産業における製造工程のうち労働集約的な部分をラオスに移転することで、価格競争力を維持・向上させることができると考えられます。ハイテク商品と呼ばれる工業製品も、その部品の生産においては労働集約的な生産方法がとられることが多く、その部分だけをラオスの第2工場へシフトすることで人件費を削減することができるのです。そしてタイのマザー工場は、多くの企業が集積する利点を活かし発注元や関連企業との取引、販売、輸出、資本調達などの機能を担う戦略本部として位置づけることができます。

地域補完型工業化の仕組み
  地域補完型工業化の仕組み
この国際分業体制を構築することで、ラオスの第2工場で使用する原材料や設備をタイのマザー工場からから安定的に供給することができ、加工後の部品は全量を輸出するのでラオス国内の外貨準備不安や為替レート変動といったリスクを回避できます。さらに、すでに多くの企業で存在するタイ人のトレーナーを派遣し技術指導をすることで高コストな日本人駐在員の数を抑制することが可能です。タイとラオスは言語的に非常に近似しているためにタイ人トレーナーはラオス人労働者と容易に意思疎通ができることも大きな魅力です。それに加えて、ラオス人労働者に対する研修もタイの工場で行うことができるため、低コストで済ませることができます。

以上のように、近隣諸国をひとつの地域としてとらえ国際分業体制を構築することにより、賃金コストの増大に直面するタイ、輸送コストが高く熟練労働力の不足するラオスという双方の弱みを補完しあうことができるのです。

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引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 81, 82.
『ラオスの投資環境』国際協力銀行 2007年

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