ビジネス・投資ガイド

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■ 海のない国・ラオスへの注目
東西回廊、南北回廊ともに、内陸国であるラオスを経由しています。では、このことはラオスにとってどのような意味を持つのでしょうか。
インドシナ半島諸国間の貿易はこれまで、海路による輸送が中心でした。すなわち、海のない国であるラオスは物流という点においてほとんど置き去りにされてきたと言ってよいでしょう。陸路による物流基盤が整備されたことによって今、ラオスが国際物流サービスの拠点としてにわかに注目を集めはじめています。

国境貿易手続きの迅速化・簡素化、ワンストップサービス化をさらに推し進め、国際トラックターミナルや国際輸送全体をコントロールする国際フォワーディング・サービスといった機能を整備し、国際物流サービス面での優位性の確保していくことが今後ラオスに求められる役割と言えます。そういった基盤が整うことによって、現在開発が進んでいる経済特区への外国資本誘致を本格化していくことができると考えられます。

サワン・セノ特別区
  サワン・セノ特別区
2003年に政府によって経済特区に指定されたサワン・セノは、東西経済回廊のちょうど中間点に位置し、中国雲南省とカンボジアを結ぶラオス国道13号線とも交差しています。ホーチミン空港までの距離はおよそ460km、またダナン港までの距離は約500km。第2メコン国際架橋の完成によって、タイのクロントイ港およびドンムアン空港までおよそ600kmが陸路で結ばれました。ラオス首都ビエンチャンのサワンナケート空港も、日本の無償資金協力で拡張整備が行われています。東西回廊の完成と国際空港の整備によって、陸路と空路のネットワークを利用した工業化推進の条件が整うことになったのです。

サワン・セノ経済特区は、輸出加工区・自由貿易区と特恵サービス・物流センターの機能をもった複数の地区によって構成されます。具体的には、最長10年間の免税措置、低い所得税、材料輸入の関税免除といった各種税制優遇に加え、土地リース期間が最長75年(通常は50年)、リース料ディスカウントといった各種インセンティブが設計されています。

第2メコン国際架橋に隣接するサイトA(305ha)には、トレードセンター、ホテル、工場、国境管理施設、住居の機能を集中させ、国道13号線と9号線の交差するサイトB(20ha)には工場、倉庫、カーゴターミナル、税関を誘致する計画で、サイトAは2011年、サイトBは2009年の完成を予定しています。他にも、他にもサイトC、Dが今後開発予定となっており、現在開発業者を募っています。

サワン・セノ経済特区を擁するサワンナケートは首都ビエンチャンに次ぐ第二の都市で、周辺には豊富な森林資源と鉱物資源も存在しています。その地域が東西回廊によって周辺国と結ばれることによって、国際物流拠点としての役割だけでなく、輸入関税を免除された部品を利用したタイの日系企業等の労働集約的部品産業の誘致や、各種農産物や鉱物資源の輸出など幅広い可能性を見出すことができます。

一方、南北回廊の中国国境沿いでは、観光・サービス産業の発展が見込まれています。国境の町ボーテンは最近、巨大なカジノ・ホテルが建設されました。中国側の国境の町モーハンでは大型商業施設や商店が次々と建設され、一大商業エリアへと変貌しつつあります。なお、この例ではほとんどの事業が中国人中心に進められており、ラオスの人々にとっての恩恵が少ないのではないかといった批判もあります。

現状では様々な課題が残っているのは確かですが、東西・南北に国を結ぶ経済回廊の整備・発展によって、物流、工業、商業、観光といった多様な分野において、新たな投資機会が見出せるようになりつつあると言えるでしょう。

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引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 73, 74, 75, 79, 80, 81.
国際協力銀行『国境をまたぐ初の円借款、第 2 メコン国際橋の完成  - メコン地域の「東西回廊」を整備 - 』
産経新聞 東西回廊 1500km シリーズ
ラオス経済・投資セミナー『第二メコン国際橋・東西回廊完成後のインドシナ物流』山九株式会社ロジスティクス・ソリューション営業部福田規保
The Daily NNA『東西回廊「第 2 ルート」ダナン市が計投省に提案』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(19) タイ~ラオス~中国230キロ(上)』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(20) タイ~ラオス~中国230キロ(下)』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(21) タイ~ラオス~ベトナム 1600 キロ走破(上)』

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