ビジネス・投資ガイド

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■ 海から陸へ 〜 一体化するインドシナ 〜
東西回廊の完成によって、今までタイのバンコクからベトナムのハノイまで海で2週間程かかっていた運送期間が、陸路で3日程度まで短縮されることになりました。また内陸に位置するラオスやタイ東北部にとっては、ベトナムの港湾を利用した貿易を促進できるようになることから、投資環境の向上と、それらを通じたメコン地域経済の発展が期待されています。

ただし、陸路を活用した物流拡大には課題も残っています。
例えば、タイは右ハンドル、ベトナムは左ハンドルのため、途中で車両を交換して荷物を積み替える必要があります。物流自由化の流れの中で相互乗り入れの話も浮上していますが、左右両ハンドルの車の並走は事故の危険もあるといった懐疑的な見方も出ています。
加えて、車輌の車軸重量制限の違いが問題になっています。ベトナムやタイでは車輌の車軸当たりの積載重量を11トンと規定していることに対して、ラオスは現在同9.1トンに制限しているのです。この違いから、通過貨物のラオス国内通行にあたって、周辺国からの輸入貨物を積載したコンテナがラオス国内では重量超過となってしまうため、積み替えや追加車輌の手配などが発生し、国境地帯でのトラブルに繋がっているのです。しかしラオスの車軸重要制限に関しても既にASEAN域内での制限統一に関する合意がなされており、ラオスにおける規制も9号線などに限って改正される予定です。

ラオス政府とベトナム政府はデンサワン-ラオバオの陸路国境において、1つの窓口で2カ国間全ての国境通過手続きが完了する貨物検査のワンストップ化を2005年より始め、本サービスの開始によって現在の当該地点税関における通関所要時間はわずか40分に短縮されています。ラオスとタイとの政府間でも、陸路国境(ムクダハン-サワンナケート)における通関ワンストップサービスについての覚書が交わされています。タイ、ラオス、ベトナムの3国間では現在、このワンストップサービスを始めとする東西回廊活用の協議が継続的に行われているのです。

以上に見たように、各国間の法律・制度の違いから国境横断において煩雑な手続きやトラブルが存在していたのですが、東西回廊の完成に伴って現在急速に効率化が進んでいると言えます。こうした一連のソフト面の整備によって、「交通路としての回廊」から「経済交流の回廊」へ発展していくことが期待されているのです。

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引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 73, 74, 75, 79, 80, 81.
国際協力銀行『国境をまたぐ初の円借款、第 2 メコン国際橋の完成  - メコン地域の「東西回廊」を整備 - 』
産経新聞 東西回廊 1500km シリーズ
ラオス経済・投資セミナー『第二メコン国際橋・東西回廊完成後のインドシナ物流』山九株式会社ロジスティクス・ソリューション営業部福田規保
The Daily NNA『東西回廊「第 2 ルート」ダナン市が計投省に提案』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(19) タイ~ラオス~中国230キロ(上)』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(20) タイ~ラオス~中国230キロ(下)』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(21) タイ~ラオス~ベトナム 1600 キロ走破(上)』

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