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■ 東西回廊と南北回廊
東西回廊はベトナム中部最大の港湾都市であるダナンを起点とし、ラオスとタイを経由しミャンマーのアンダマン海に面するモーラミャインまでを結ぶ、ほぼ北緯17度線に沿った全長1450キロのルートです。2006年12月、タイ・ムクダハンとラオス・サワンナケートとを隔てるメコン川において日本のODAによって第2メコン国際橋が開通したことをもって、初のインドシナ半島横断道路が全線開通となりました。ラオス内の東西回廊はタイとの国境近くの町デンサワンから中部を横断してタイ国境のサワンナケートまで国道9号線沿いに約210キロの道程となっています。

東西回廊を形成する道路の大部分は以前から存在していましたが、ベトナム戦争などの歴史に翻弄され行き来が無かった時代が長く続いていました。近年になって各国間の関係が安定・緊密化し、タイに7000以上ある日系企業が生産コストの上昇にベトナムなどに工場を進出させるといった背景のもと、将来の物流動脈として注目を集め始めています。

ちなみに、カンボジアを経由するホーチミン市~プノンペン~バンコクのルートは南部回廊、または第2東西回廊と呼ばれており、こちらも主要都市をつなぐ重要な経路となっています。

続いて南北回廊について簡単に見ておきましょう。
広く「南北回廊」と言う場合、メコン川と陸路の2つを指します。従来はメコン川を利用して中国製品をラオス、ミャンマー、タイに輸出するルートが中心でしたが、陸路で中国・ラオス・タイを結ぶ南北回廊の整備が中国主導のもと急ピッチで進んでいます。このルートは、中国雲南省の昆明からラオスのルアンナムター、フエイサイを経由してタイに入り、バンコクまで至るもので、東西回廊を補完する役割を果たしうると期待されています。

現在のところ、この経路上のタイ・ラオス国境を形成するメコン川には橋がなく、中国とタイが第3友好橋の建設を計画中です。これはタイ北部チェンコンとラオス国境フエイサイを結ぶ全長630メートルの橋で、タイと中国が折半で資金を提供、2011年完成の計画となっています。現在は国境通過地点として渡し舟があり、それにつながる道路の整備も進んでいます。ラオスから中国に続く道路は山道の上に一部未舗装のままで、短時間に進むことができないという欠点も存在しています。

中国のラオス進出は2004年の江沢民・前中国国家主席の訪問以来、急激に加速しています。ASEAN諸国との自由貿易協定締結に向けて、いまだ整備の途上とは言え、中国にとってこの陸路の南北回廊果たす役割は少なくないと考えられます。

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引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 73, 74, 75, 79, 80, 81.
国際協力銀行『国境をまたぐ初の円借款、第 2 メコン国際橋の完成  - メコン地域の「東西回廊」を整備 - 』
産経新聞 東西回廊 1500km シリーズ
ラオス経済・投資セミナー『第二メコン国際橋・東西回廊完成後のインドシナ物流』山九株式会社ロジスティクス・ソリューション営業部福田規保
The Daily NNA『東西回廊「第 2 ルート」ダナン市が計投省に提案』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(19) タイ~ラオス~中国230キロ(上)』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(20) タイ~ラオス~中国230キロ(下)』
The Daily NNA『陸海空アジアの道 物流の最前線を行く(21) タイ~ラオス~ベトナム 1600 キロ走破(上)』

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