ビジネス・投資ガイド

←前のページへ | 5/5 | 次のページへ→農業・アグリビジネス(5)

■ 日本企業にとっての可能性と今後の展望
最後に、以上に見たラオスの農業の優位性と課題を踏まえて、日本企業にとってのラオスにおける農業分野への投資に関して、今後の展望を探ります。

今後短期的に有望な分野として、有機農産物としての競争優位性を活用した農産物生産、農産物加工が挙げられます。中国製をはじめとする輸入農作物の安全性に対する危機感が高まりつつある中、安全な有機農産物というラオスのブランドを確立できれば、内陸国ゆえの輸送や生産資材の輸入に必要なコストを補いうるでしょう。特にボロベン高原の優良な自然条件での野菜等の栽培は非常に大きな潜在力を持っているといえます。

当面は既にタイで展開している日系食品関連企業などによるラオスでの食材料の調達などが見込まれます。また、寿司用生姜、薬味としてのミョウガ、松茸、竹の子、蓮、和菓子包装用の熊笹・広葉樹葉、健康食品としての無花果ジャムなどの希少高級食材料に関しては、直接日本から買い付けを進めるケースも考えられるでしょう。 将来的に現地加工の可能性が見込まれる分野には、竹の子・ベビーコーン、トマトペースト等の 缶詰・瓶詰、果物(特にいちご)ジャム、熱帯果汁飲料などがあります。

大規模農場
  大規模農場
また、バイオエタノールに対する需要が世界的に急増していることを受けて、バイオ燃料の原料となるとうもろこし、キャッサバ、大豆の栽培も将来性が高いと言えます。すでに中国、韓国、シンガポール、タイ、インド等の資本が投資を進めており、とうもろこしの生産量はなんと今年10倍に拡大している、という話を聞いています。(バイオエタノールに関する詳細は環境ビジネスの項目を参照)

ラオスの農業分野への外国投資においては「2+3政策」ということが言われています。これは農家の持つ「土地」「労働力」(=2)と、投資家の持つ「資金」「技術」「マネジメント」(=3)と、双方の強みを活かし補いあうことでWin-Winの事業を生み出していくことを志向するものです。

先に見たように、ラオスの農業には未だ課題も多く存在しています。しかし政府としても投資環境の改善に取り組んでおり、状況は改善しつつあると言えます。そして近年、食品の安定供給の観点から農産物の調達先を多様化する動きが強まってきており、日本の食品関連企業も少しずつではありますがラオスに目を向けるようになってきています。

そういった状況の中、潜在的に大きな可能性を秘めたラオスの農業・アグリビジネスにおいては、様々な課題を十分に認識し検討した上で企業と農民の双方が補い合い理解しあえる形で事業を進めていくことが、今後求められていくと言えるのではないでしょうか。

12345
←前のページへ | 5/5 | 次のページへ→

引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 14, 15, 70, 71, 82, 83.
『ラオスの投資環境』国際協力銀行 2007年

ホーム > ビジネス・投資ガイド > 農業・アグリビジネス

本サイトの文章および写真を許可なく複製することを禁じます。

Laos Japan Research and Consulting Co., Ltd.
Ban Thatkao, Unit05, Thadea Road Sisathanak District, Vientiane, LaoPDR

© Laos Japan Research and Consulting Co., Ltd. All Rights Reserved.