ビジネス・投資ガイド

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■ 今後の課題、留意点
これまでラオスの農業の優位性、成功事例を中心に見ていきましたが、一方で当然いくつかの課題や留意点が存在します。

まず、国境をまたぐ大規模幹線道路は整備されつつある一方で、国内の幹線道路をはじめとするインフラや、コールドチェーンシステムに必要な冷蔵・冷凍施設や保管施設の整備に遅れが見られ、広域流通のネックになっています。国内の物流網が未発達であることから、ある地域では海外に輸出しているほど十分な生産をしている作物が、別の地域では不足しており輸入に頼っている、ということもあるそうです。

また、加工工場への投資の場合、容器、梱包材、種子などの生産資材の大部分をタイからの輸入に頼っている状況で、輸送費の問題からコストの圧迫を招いています。いかにラオスの労働力が安価といえども、結局その事情によって周辺国に比べて競争力が高いとは言えない状況となっています。
さらに、ラオスの農家は長年粗放農業を行っており、契約栽培という認識が現地農民に希薄であることや技術不足から、原料作物の安定調達が課題となっています。納期を守ること等に対する農民の理解を促すことが必要だと言えるでしょう。

先進国向けに農作物、農産加工品を輸出する場合には、品質・規格・安全性など各種の基準をクリアすることも課題となります。有機農業中心という点で有利であっても、味や見た目で劣る面があり、厳しい国際基準にあわせ先進国の人々に受け容れられるためにはより一層の改善が必要です。有機農産物という強みはあっても、まだその価値が十分に認識されているとは言えず、「ラオス産=安全な有機農産品」というブランドを今後構築・浸透させていく必要があるでしょう。

■ラオスの農業における今後の課題

・インフラの未整備
・冷凍・冷蔵・保管等の設備の不足
・生産資材輸入によるコスト高
・現地農民の契約に対する意識の低さ
・国際基準に見合う品質
・人材不足、小規模な市場
・政府の体制・国内制度不全、賄賂
・大規模コンセッション停止

その他、未成熟な金融制度、小規模な国内市場、農業分野の専門家の人材不足、通関などでの賄賂の問題、中央政府と地方政府との連携が不十分といったことも課題として挙げられます。
また留意すべき点として、既述の通り現在100ha以上の土地コンセッション付与が停止されており、外国企業が以前ほど簡単には入れなくなっているという点が挙げられます。

ラオス政府としては海外からの投資自体は歓迎しており、今後の土地行政の在り方を現在検討している段階にあるので、注意深く見守っていく必要があると言えます。すでに他の企業が保有している土地を又貸ししてもらう場合には、当初の契約上可能かどうか、可能であればコストは採算に見合うのかを慎重に検討する必要があります。

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引用元:
鈴木基義著『ラオス投資ガイド』日本アセアンセンター発行。2007年。p. 14, 15, 70, 71, 82, 83.
『ラオスの投資環境』国際協力銀行 2007年

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